男性の場合

兆候を感じるには

精液をチェック

精子で判断することはできませんが、精液を不妊症の目安とすることが可能です。色と量での判断になりますが、精液の色が黄色や赤の色が強かったり、射精した際に量が少ない場合には異常のサインです。

色がついているのは血、もしくは膿が混じっていることが考えられるためであり、量が少ないと逆行性射精などが疑われます。精液量の平均基準値は、1.5ml/以上とされています。精液を自分で観察するのは抵抗もあるかもしれませんが、不妊症を早めに判断するためにも定期的に確認しておきましょう。

睾丸の状態をチェック

触った感じが軽すぎたり、なんだか小さく感じる場合には睾丸が委縮してしまっている丸委縮症の可能性があります。睾丸は「うずらの卵」ほどの大きさですが、男性不妊にならない具体的な基準としては「直径4cm」「体積の容量15ml」の目安があります。これは見た目であって正確には医療機関で調べれば睾丸が小さくても問題ないこともあります。

また、左右で大きさが異なる場合は、「停留睾丸」という、精巣の発育が悪いケースもあります。これも不妊症の原因で、気になるようであれば泌尿器科へ急ぎましょう。

具体的な症状

障害・異常 意味 症状
造精機能障害 精子の状態が悪く、卵子までたどり着けなかったり、うまく受精できなかったりする。精液中の精子の数が減少する「乏精子症」や全くなくなる「無精子症」、運動率が低下する「精子無力症」、形に問題がある「精子奇形症」など。 原因としては、精索静脈瘤、ホルモン分泌異常など。環境ホルモンなど外的な要因も指摘されている。

精索静脈瘤があると精巣の温度が2、3度上昇し、精巣の造精機能が低下してOAT症候群を招く。また、精索静脈瘤がある男性の精子はDNAが壊れている確率が高いともいわれている。精索静脈瘤は一般男性では約10%、男性不妊外来を受診する人では30-40%で見つかる。

自分で気づくことはできず、自覚症状もない。精索静脈瘤がある場合は、腎静脈から精巣にむかって逆流が起こり、精巣につながる部分が膨らんでこぶのようなものができる。

精路通過障害 精子の通り道に炎症などが起こり、精子が外に出られない状態。 射精自体はできることが多く、見た目で判断はできない。自覚症状もないことが多い、炎症の場所や程度によっては、発熱や排尿痛を伴う。
副性器障害 精子の運動率が低く、血液中に白血球が多く見られることが特徴。 自覚症状はない。
性機能障害 勃起ができない「ED」や、勃起はできても性行為ができない「性交障害」、射精ができない「射精障害」。 EDはストレスや加齢、喫煙などが原因で、マスターベーションなら勃起や射精が可能、妻以外となら性行為ができるなど。症状は人によって様々。全く勃起できない、勃起できても持続できないなど、個人差がある。

射精障害は主に膣内で射精することが困難な場合をさし、ED同様、ストレスや加齢、あるいは心因的なものが原因となるが、中には逆行性射精のように機能的な障害がある場合もある。

女性の場合

兆候を感じるには

排卵をしているか確認

排卵しているかどうかは、基礎体温表、排卵検査薬を使って調べることができます。

基礎体温表の場合には、基礎体温を測り、低温期から高温期の2層に分かれる時期があれば排卵しています。「基礎体温表」については、「基礎体温表のつけ方やポイント等のまとめ」をご覧ください。

排卵検査薬の場合には、次の月経予定の17日前くらいから毎朝決まった時間に尿検査のような方法で尿中のLH(黄体ホルモン)濃度を調べ、上昇の反応が見られればその36時間以内に排卵が起こることがわかります。

これらを使用して排卵の兆候が見られない場合、排卵する時点で障害が起きていることが考えられます。排卵が起きていない原因を確認するためにも速やかに病院へ行き、不妊検査を受けましょう。

おりもので判断

女性のおりものは、通常であれば透明か乳白色に近い色をしていて、触った感じもサラサラしています。

生理的変化に左右されやすいく、排卵期間であれば、おりものの量は自然と増えますし、触った感じも粘り気があって、ほとんど感じない匂いが強くなります。

不妊症を判断する目安にもなります。おりものに異常が出た場合には、必ず何らかのサインで出されていることがほとんどです。

子宮内の何らかのトラブルであることも考えられます。濃い黄色や茶褐色、不正出血、カンジダ症の場合には白くてぽろぽろした状態になるなど反応はさまざまですが、放っておくと、卵管炎など不妊症を引き起こす原因にもなります。性病の中には不妊につながるものもあります。感染が疑われる場合は、検査を受けてきちんと治療しておきましょう。

具体的な症状

障害・異常 意味 症状
排卵の問題 脳下垂体ホルモン分泌の異常や多嚢胞性卵巣症候群、早発卵巣不全などが理由の「排卵障害」が起こり、排卵が起こりづらくなる。 生理が全く来なくなったり、周期が不順になる。普通に生理が来ていても、実は排卵していなかったということも。自覚症状がない場合もある。
卵管の問題 「卵管閉塞」のほか、卵子が上手く卵管に取り込まれない、受精卵を子宮まで届けることができないなど。クラミジアなどの性感染症による炎症が原因であることが多く、子宮内膜症(経血量の増加・生理痛・下腹部痛・性交痛・排尿痛・排便痛・腰痛・出血時にレバー状の塊が出るなど)による癒着で起こることもある。 クラミジアが原因の場合、おりものの増加や不正出血、下腹部痛などの症状が現れる。症状が軽く、放置されやすいのが特徴。

子宮内膜症が原因の場合、性交痛、排便痛、腰痛、月経時以外での下腹部痛など。特に、生理を重ねるごとにどんどん強くなる生理痛が特徴。

子宮頸管の異常 精子を卵子のもとまで運ぶことができなくなり、不妊につながる。 自覚症状を感じにくい。子宮頸がんなどの治療で「円錐切除手術」経験者は注意。
着床障害 着床障害の原因は、粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腔内癒着症など、子宮に何かしらの病気や異常がある場合と、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が不十分な「黄体機能不全」の場合がある。 子宮に病気がある場合、不正出血や下腹部(子宮)の痛みなどが現れることがある。

黄体機能不全が原因のときは、月経不順が起こる。正常の生理周期から3日以上のずれが続くときは、注意が必要。

高プロラクチン血症 排卵障害を招いたり、脳下垂体の腫瘍など。 乳汁の分泌や、脳下垂体の腫瘍が原因の場合は頭痛・吐き気・めまい・視野狭窄などが伴う。

その他のケース

「抗精子抗体」と不妊症

不妊の原因の一つに、体が、精子に対する免疫である「抗精子抗体」を持っているというケースがあります。男女ともに自覚症状はなく、不妊に悩む人の約3%がこの症状だとされています。

男性が抗精子抗体を持っている場合、乏精子症や無精子症の原因になります。

女性が抗精子抗体を持っている場合、精子が卵子までたどり着けなかったり、たどりついても受精できなかったりすることがあります。

原因不明の不妊症

また、男女ともに原因不明の不妊もあります。検査では見つけられない何らかの原因によって、精子と卵子が受精できていないことが考えられます。

原因を特定するためにも検査へ

不妊の原因を特定するためにも、検査を受ける必要があります。症状の中には自覚症状があるものもあれば、ほとんど自覚症状がなく、自分では気づけないこともよくあります。もし、何か悩みがあるのであれば、迷わずに医師に相談するのがよいでしょう。

検査の結果、もし病気がみつかればすぐに治療を始められますし、原因がわからなかった場合でも、病気の有無が分かれば、ひとまず安心できます。検査は早めに受けておくのが賢明です。

 

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参考記事:「不妊症になりやすいかどうかのチェックリスト」